蒼いチベット。

10年ほど前、東チベットに行きたくていろいろと調べていた時期があった。「旅行人ノート・チベット」(地球の歩き方チベットではこのエリアはほぼ紹介されていない)を買って計画を進め、銀行2年目の一週間休暇で尋ねようとしていた。結局のところ、情勢が不安定になり始めたので取りやめたのだが。

チベットには四川省の首都成都からバスを乗り継いで行く。康定という街を玄関口にして、高原に点在するいくつかの街を訪れることができる。本場チベットよりもさらに信仰に厚く、寺院に入っている人も多い。そんな人々の姿を見たかった。そして、突き抜けるように蒼いチベットの空をこの眼で見たかった。

今でも東チベットが世界中で一番行きたいところであることは変わらない。この10年で中国も大きく変わったが、幸いなことにこのエリアにその変化の波はほとんど訪れてはいないようだ。人生をかけて、というと大げさだけれども、僕にとってはそれくらいの心持ちで訪れたい土地だ。