解散風。
なんとも出来レースな感がぬぐえないが、増税延期と解散総選挙の機運が高まっている。増税のタイミングなどを勘案したテクニカルな要因からすればこの時期に解散することに意味はあるのだろうが、結局は問題の先送りであり、目先を逸らすことで目の前の難局を乗り切ろうとする、小手先の対応に映る。増税を延期すれば自民が勝てる(考えてみれば、増税する予定だったものを延期したいと提案してその是非を問う、というのもおかしな話だ)のだろうけど、去年よりもさらに白けムードの選挙になるのではないだろうか。
今回の選挙を乗り切ったとしても、正直言って3年後や4年後には社会保障問題が切羽詰まり、金融緩和の副作用も出てきて、政権が窮地に追い込まれる可能性は少なくない。問題はそこで、他の党が政権を担えるかだと思う。この2年間の野党にはそのような兆しが全く見えなかった。あくまで少数派としてのふるまいしかできず、自分たちが政権を取ることを想定していないかのような無責任で幼稚な行動が目立った。
弱者が弱者の戦いをしていても、いつまでたっても弱者のままで終わってしまう。それで満足ということなのだろうか。たとえ今は向かい風の弱者でも、将来的に追い風が吹いた時に胸を張って表舞台に出てこられる、そんなふるまいや主張を野党には期待したいのだが。