終わりの始まり。

きのうの都内は物々しい警備であった。米国大統領が来日しているのだ。しかしながら緊張感と言うよりは、お祭りのようなムードでもあった。

ここ数年、安保法制の整備などもあっていろいろと日米関係はどうあるべき、という議論もなされてきたが、いざトランプ氏が来日して北朝鮮問題を話し合う、などというシチュエーションが到来したときに、もしも今の野党が政権を取っていたとしたら、今と違う交渉ができただろうか。「米国が軍事行動を起こすときには日本も協力してほしい」と言われた時に、「日本は独自の平和路線を築くので米国には協力しかねる」と交渉できるタマのある人間はいるだろうか。

外野からはいくらでも言えるだろう。しかしながら、実際この場面での交渉になったときに、米国を正面きって批判できる材料はあるだろうか。ただ、曖昧な皮肉めいた言葉で、「日本は平和を望みます」などと言ってもそれは残念ながらもう通用しないのである。そのことをトランプは日本に突きつけにきたのだ。

そういう意味では、今回が本当に、この国の戦後政治の終焉、総決算なのかもしれない。