中国。

日本の政治が久しぶりに不安定な局面を迎えている。TPPという言葉はニュースから姿を消し進捗がどうなっているのかわからない。この秋には進展があるだろうとみられていた北朝鮮問題も音沙汰なし。加えて最大のファクターである景気が完全失速し、消費再増税には黄信号が灯っている。社会保障問題についても、日和見的なスタンスから脱せずにいる。

中国もまた不動産市況の悪化から景気減速局面を迎えているが、窮地に陥っているとはいえその対応は一貫して冷静にみえる。政策によってしわ寄せを受ける層からの反発を意に介さずに(むろん不満を逸らすための手は打っているが」、長期的に果実を得るために1番効率的な方策を推し進めることに忠実である。

習政権に代わってからその動きはさらに加速し、腐敗も排除されつつある。外交面ではその方針はさらに徹底されており、できる限りの要素をコントロールしつつ、コントロール不可な要素の振れ幅についても想定の範囲内で閉じこめて対処しようという姿勢がみてとれる。極端に言えば、韓国の動きは全て中国がコントロールしていると言っていいのではないだろうか。

極地的には小競り合いを繰り広げながらも、やがて中国は完全に米国と伍する世界の双頭になるだろうし、一部を切り捨てることはあろうとも内部崩壊などは絶対にしないだろう。