病院。

僕は産まれてこのかた入院したことがないし、比較的病院にもかからずに生きてきた。なので、今回妻の入院に付き添っている(面会時間をフルに使って過ごしているだけで泊まっているわけではないのだが)この数日で、病院での生活をべったりと感じている。

科目にもよるのだろうが、いま過ごしている病院にはゆるい空気が流れている。看護師さんは優しいし、入院しているとはいえ外出以外は普段の生活とほとんど変わらず何でもできる。身体や精神からできる限りストレスを取り除くことで回復や治癒を進めるという、入院自体の目的に沿って全てが作られている。母子別室でもあるし、2人で過ごす貴重な時間がゆったりと流れている。

そんなゆったりとした場所であるにもかかわらず、なぜかここ数日の僕は体調が万全ではない。妻のいない生活が慣れないなんていうことでもないし、出産までの緊張がとけたというわけでもなさそうだ。だとすると、病院に流れるゆるい空気によって、普段よりも身体と精神の不調が見えやすくなっているということのように思う。これもまた病院で過ごす効果のひとつなんではないだろうか。

やはり、ある程度の緊張感やストレスがあるほうが心身の安定を保つことができるのだろう。ただ、時には完全に抜くことも必要だ。今がその抜きどきなのだと思う。