泥沼。

ISIL(イラクとレバントのイスラーム国)に対して国連安保理でISILへの制裁が決議され、フランスや米国が中心となって空爆が開始されている。この件については断片的かつ日本や欧米のある種のバイアスがかかった報道でしか理解できていないながらも、この戦いは今後想定以上に大きな戦争行為に発展するのではないかという予感がしてならない。

捕虜を残虐な方法で殺害する動画がアップロードされ、過激派によるテロ行為のようなイメージで報道がなされているが、ISILは既に単なるテロ組織としての規模をはるかに超え、領土の裏付けと石油販売による安定的な収入を得ている。略奪に遭ったり居住地からの避難を余儀なくされた住民もいるが、支配下におさめた住民には、銀行や食堂、礼拝所といったインフラを整備するなど、国家として現実的な機能を果たし始めているという一面もある。

また、欧米各国からISILの戦闘員に加わる若者が増えていることも状況を複雑化させている。その意図について一面的に述べるのは難しいが、単純に彼らをテロリストとして扱うことが、欧米各国の若者の価値観に飛び火をもたらす危険もあると思う。

そんなことを言っても、実際の立場としては空爆を進めざるを得ないのだろうし、彼らをテロリスト扱いする他の選択肢はないのだろう。泥沼の結末に突っ込んでいくと分かっていながらも。。