栄冠へ。

春分の日。わが家は野球の試合で朝も早よから出かけていたのだが、日本列島は別の野球の試合で沸き立っていた。WBC準決勝である。

既報の通り劇的な逆転サヨナラ勝ち。ストーリーとしては出来すぎだなと思う。世界最高峰の試合の緊張感が画面のむこうからでもよく伝わってきた。

普段のペナントレースとも、日本シリーズともまた違う空気感。野球を職業とする者としてはこの舞台に立つことのリスクはもちろんあるのだが、金銭的なものには換算できない得難い経験であるのも確かだろう。

佐々木朗希もそのような経験ができたのだと思う。腹部に打球が直撃していたが、怪我にはなっていないだろうか。彼がここからどのタイミングで海を渡るのか、それとも日本で選手生活を全うするのかはわからないが、間違いなく人生観に影響を与える試合になったことは間違いない。そんな痺れる瞬間に立ち会えたことは幸せである。

さて、朝を迎えればすぐに決勝の舞台である。未だかつて見たことのないような光景を見させてほしい。