男子②。
(昨日の続き)3つの作品における男の生き方、立ち位置の違いは、社会の変化をどれだけ敏感に取り入れているか、という点なのだろうと思う。今日において、男でなければできない役割はどんどん縮小し、逆に女でなければできない役割の存在感が増しているのだ。ひと世代前には、男の子が生まれるまで子作りを頑張るなどという話があったが、もはやそんなエピソードは過去の笑い話になっていくだろう。
過去、男の浪漫に女は従ってついていくものであった。それがいつからか、男は浪漫を追いかけているつもりでいながら同時に女の手のひらでコントロールされるものになった。そして今、男の浪漫などというものは存在するだろうか。時代が変わり、役割を減らされた男たちにはどんな浪漫があてがわれるべきなのだろうか。『アナ雪』の後に描かれるべき男の生き方はどんなものだろうか。
沈みかけた船から真っ先に助け出されるべきは「女子供」である。と言われたことがあった。そりゃそうだ、「女子供」には「男」にはできない大切な役割があるのだ。そのように解釈される世の中で、男はどのような生き方を、物語を目指していくべきか、僕もまた考えている。