セルフメンテナンス。
昔マラソンでトップ選手だった女性が、窃盗事件を起こした、というニュースに触れた。確か彼女は去年も類似の事件を起こしており、これは意図的な犯罪というよりはむしろ病気に近いものなのだというのが明らかだ。悪いことをしたとは思えず、かわいそう、という感想以外を持てない。
因果関係ははっきりしないが、本人の持ってうまれた性質ではなく、選手時代の節制した生活やトレーニングが影響を及ぼしているのは間違いなさそうだ。本人に責任があるとは言い難い。
これと似たような話は、僕らの周りでもよく転がっている。スポーツに限らず、ビジネスや学習の場においても、結果を出すために僕らは上司や教師からのプレッシャーにさらされるが、彼らは目指す勝負が終わったあとの人生においてもコーチの役割を果たしてくれるわけではない。自分の人生はあくまで自分がセルフメンテナンスしていくしかないのである。
勝負だけさせられて、その後のセルフメンテナンスに失敗した人も救われる世界であってほしい。