食在。
立秋を過ぎて暑さもひとまずピークを越えたようで、夕方になると涼しい風が吹き、空高くイワシ雲が浮かぶようになってきた。まだまだ暑い日は続くだろうけど、少しでも秋らしいものが見つかるたびにホッとした気持ちになる。
★★★
中国での食品の安全にかかわる問題が取り上げられるようになったのは5年くらい前の毒入り餃子、段ボール肉まん事件からだろうか。つい最近も大手食品加工業者での鶏肉の扱いがリークされて、日本でもマクドナルド等が少なからずその余波を受けることになった。しかしながら中国ではむしろマクドナルドで使われている鶏肉が相対的に安心できるとされて店舗に行列ができているからおかしな話だ。
中国は昔から安全の確保されていない食品が出回っていたのか、と思うと、10年前に2度ほどバックパックを担いで旅していたことを思い出す。上海も、雲南も、庶民的なレストランの味のレベルは高く、もちろんびっくりするくらい値段も安かった。食べてもお腹を壊さないだろうかなどとは考えもしなかったし、さすが中国は食の国だなぁとさえ思っていた。
知らぬが仏なのか、それともここ10年の間で中国の食を取り巻く状況が大きく変わってしまったのか、恐らくは後者なのだろう。それが経済成長のひずみなのだとしたら、問題は根深い。