2004年のモロッコ①。

ふと、7年前の日記を読んで、前後のことを書きたくなったので、何回かに分けて書く。


2000年代の前半、サークルの周りの人たちは休みともなればバックパックをかついで海外に出かけるメンバーが多かった。ミャンマー雲南省などに休学して留学したり、1年をかけてユーラシア大陸を横断した先輩もいた。

僕もまたそんな人たちに感化されて自然と海外に出た。いまはもう休刊してしまった、「AB-ROAD」という電話帳のような雑誌をめくっては格安航空券の情報を漁り、アルバイトで貯めたお金を握って、市内の旅行代理店に足を運んだ。買うのはもちろん往復のチケットだけだ。

何度もアジアには行ったが、一度だけアフリカに足を向けた。とはいってもスペインからモロッコに渡ったくらいなので、ほんの端っこをかじったくらいだ。そのあたりが自分自身の勇気の限界だったのである。

上海を経て中国東方航空でパリに降り立ち、そこからブリュッセルに移動してLCCでスペイン南端へ。地中海沿岸の陽気な雰囲気を味わってから、ジブラルタル海峡を渡ってモロッコのタンジェへと向かった。海峡のイミグレーションではお前おしりに大麻を隠しているだろう、となぜかあらぬ疑いをかけられ、パンツを脱いで潔白を証明する羽目になった。国境の検査官はげらげら笑っていたから、からかわれたのだろう。(明日に続く)