変調。

政権が代わってから約1年半、それなりに景気は良いと言われてきた。確かに株価は上昇し、上場企業の業績は顕著に改善してきた。オリンピック開催も決まったことで、少なくとも2020年までは景気は持ちこたえると僕自身も思っていた、が、ここ数日どうも怪しいんではないかという不安が湧きあがっている。

まず、今年4〜6月のGDPは相当悪い数字になりそうだ。昨年の反動や消費税増税の影響があるとはいえ、リーマンショック時にも見たことのない数字が出てくる可能性もあると思っている。外食小売等の月次の数字も落ち込んでおり、6月に入ってもどうにも回復傾向が見えてこない。いろいろと悪い数字が出てくれば、ただでさえ低下傾向の内閣支持率にさらなるダメージが加わるだろう。

加えて、地方を中心にかなり産業の弱体化が進んでいる。これは今に始まった話ではないが、それなりのレベルを保った企業の絶対数が少なくなり、そのレベルからずり落ちた企業がゾンビのように生き永らえている。これはすなわち地域金融機関が企業を再生させる術を持たず、かといって思い切って断ち切る勇気も持たずただ先送りをしてきたツケが重くのしかかってきている。

むろん、観光業には追い風が吹いているし、不動産市況は相変わらず良いし、人手不足による求人増の状況は続くとは思うが、総体でみると景気はつまづく気がしてならない。