Life goes on.

朝から栃木県益子町に出張。地方都市もいろんなところに行っているけれど、益子町はそのなかでも相当な田舎である。山は見当たらずただただ平原が広がっており、そこに集落が点在している。昼どき、町の中心部は時が止まったように静かで、時折走り去る車の音が聞こえるのみ。北関東の地方都市はどこも同じような空気が流れている。

しかしながら、益子は焼き物の町で、訪れた場所でもさまざまな陶器がところ狭しと並べられていて、陶器にまつわる様々な話を聞くことができた。碓氷峠峠の釜めしに使われる容器も、益子焼だと言う。ぼってりとした益子焼は和室によく似合うと思う。仕事にひと段落を付けて、自給自足に近い生活をしながら陶芸に精を出す人も多いそうだ。喧騒から離れて、芸術に打ち込むにはいい環境なのだろう。

★★★

5月22日は結婚記念日だった。けっこう強い雨が降るなか、駅前のイタリアンで食事をした。それほど感慨はなかったけれど、これまでの1年も、これからも、良いことも悪いことがあっても、止まることなく日々を重ねていくのだ、ということを考えた。頑丈な道の上を歩いているわけではないし、不安なことも耐えないけれども、どんなことが起こっても、受け入れながら、進んでいくのだ、ということを考えた。

結婚に関するもろもろのイベントが終わって、仕事も暇なわけではないけど巡航速度で進められている局面で、なんだか今は目標を失っている状態。でも得てして、こういう時にふと思いついたことが、自分の本当にやりたいことだったりするので、宙ぶらりんな状態も悪くないと思って、今の感覚を楽しんでいる。凝り固まった今までの習慣からできるだけ自由になって、次の方向性を見つけていくことができればいいな、と思っている。

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出張の行き帰りの電車やバスのなかで、ぼんやりとこの1年のことについて考える。これまでのことを冷静に、客観的に見られる状況になって、あの人のことを傷付けてしまったな、とか、もっと別の言い方があったんじゃないかな、など思う。昨晩、半年くらい前から連絡のつかなくなった恩人とも言うべき友人に、ギターと唄で結婚を祝ってもらう夢を見た。そのせいか、今朝は言いようのない多幸感に包まれていた。正夢にならなくとも、彼に気持ちを伝えてもらったように思えた。