交流戦。

QVCマリンスタジアムで野球観戦。2階席の一部を除いてたっぷり埋まったスタンドは壮観なもの。ぎっしり詰まったライトスタンドからの声援の渦のなかに身をうずめれば身体が痺れる。1回表、ジャイアンツの1番打者である長野選手がゆっくりと打席に入ると、ライトスタンドはブーイングに包まれた。長野選手は以前、マリーンズのドラフト指名を拒否し、翌年ジャイアンツに入ったという経緯があるのだ。

★★★

絶好のスタートを切り、パリーグ首位に君臨するマリーンズと、交流戦直前から引き分けを挟んで9連勝を積み上げてきたジャイアンツの2連戦が、一昨日からQVCマリンで始まった。金曜日のナイトゲームジャイアンツが勝ち、土曜日のデーゲームはマリーンズが勝ちと、それぞれ両チームが好調さ、持ち味をいかんなく発揮した試合展開となった。

目の前の試合展開や大きなシーズンの流れを頭において野球を見るのももちろん面白いが、スタジアムでみるのはやはり独特の楽しさがある。ライトスタンドにはなぜか阪神の法被(背中には打倒読売の刺繍)を着たおっさんが数人。タイガースは福岡でのゲームだ。この人たち、どれだけ野球が好きなのだろう。そして、僕らが中川家礼二と呼んでいる、ホットドッグの売り子の兄ちゃん。めちゃくちゃ声が通る。内野スタンドにいるであろう彼の甲高い声が、耳に入ってくる。そしていつもどおりスタンドに響く谷保さんのアナウンス。見慣れたゲートフラッグ。青空にはためく「和」の大旗。周りのヤジに思わず吹き出す。わざわざ遠いところを電車に乗って、入場料を払ってスタジアムに行くのには理由がある。

きのうの試合自体は巨人から戻ってきたサブローが鮮やかな3ランを放ち、危なげなく勝ちきった。9回表に、一矢報いる形で、長野選手の2ランホームランとなる打球がライトスタンドに飛び込んできた。試合後の2次会を終えて、団長のジントシオさんが拡声器でこういった。「もう長野選手のブーイング止めませんか。だってもう角中も清田も岡田もいるじゃないですか!!そして荻野貴もいるじゃないか!!」「スワローズのラッキーセブン東京音頭の出囃子で『くたばれ読売』もできれば止めましょうよ」 。

マリーンズは今日から広島、甲子園に遠征。遠征が終われば、4週間の間を関東で過ごす。毎年交流戦パ・リーグが勝ち越す理由は、同一リーグの対戦と比べて移動が圧倒的に楽だから、ということがあるのではないかと。逆にセ・リーグ各球団は慣れない札幌、福岡、仙台への移動で疲れてしまうところがあるのではないだろうか。そんなことも想像しながら、交流戦の行方を見守る。