タビロック夫妻のこと。

大学生の頃から、Web上で発信しながら旅を続けている人のホームページやブログを読んで自分も旅している気分に浸ることがずっと好きで、今もいくつかのホームページを巡回しているのだけど、先日信じられないことが起こった。

時折読ませてもらっていたタビロックさん(http://ameblo.jp/goooooska/)夫妻が命を落とした。アフリカから南米に渡ってきたところでマラリアを発症し、夫は病院で、奥さんはホテルのトイレで相次いで亡くなったと。異国の地でどれだけ絶望的な気持ちになっただろうか。。

旅は危険と隣り合わせ、なんてよく言うけど、実際に旅の軌跡を追いかけていた人がこの世を突然去ってしまうということがにわかには理解しがたくて、パソコンのモニターを通してしか彼らのことを知らないのに、言いようのない喪失感に襲われた。ホームページの終盤の日記や、Twitterでの最後のつぶやきは何とも言えない。もしかすると彼らは発症はしていなくともうすうすマラリアの不安を感じていたのかもしれない、ともとれる内容である。それでも、読み手を楽しませるべく、最後の最後まで精一杯変わらぬテンションでブログを更新し続けていたのだ。

9年半前に1人で海外の旅に出たときから、僕はあまり外国の地に恐怖や不安を感じることなく、人里離れたところや、繁華街、夜の街を歩いてきたと思う。全く褒められたことでないのだが、1人で旅していた時はずっと海外旅行保険なんてかけたこともなかったし、危険なんてものは感覚的に察知できるし、気を付ければ必ず回避できるものだと信じていた。海外に出れば、旅人同士で武勇伝のごとく危険な目に遭った経験を語り合うことも少なくなかった。

旅の経験はそれなりに蓄積してきて、気を抜くことも多くなってきたけど、なぜかここ数年山に登るようになってから、今までよりもものごとを恐るおそる捉えるようになってきた(山に登るようになってから、と言ったもののそれが原因か、本当のところはわからない)。今まで見逃していた「怖さ」が見えるようになってきたと思う。

びくびくしていても何もはじまらないし、ものごとは楽しまなければ損。でも「怖さ」に見てみぬふりをしないのも大切。健康で、周りの人に無用な心配をかけないことが大前提。これは旅に限ったことでもないと思う。

タビロック夫妻には心からご冥福をお祈りします。楽しい旅を伝えてくれて本当に感謝しています。今はゆっくり、休んでください。