友だち。

結婚する前の頃は、山に登ることが好きで、何度か友人3人で連れ立って夜の中央道や関越道を車を走らせていた。僕は生来の臆病さや仕事がだんだん忙しくなってきたこともあって、結婚する頃には山からは離れてしまっていたが、僕以外の2人はその後も長く山に登ることを続けていた。

山に登りながら、山小屋やテントで横になりながら、いろんな話をした。特に2人のうちの1人とは、自分の仕事やプライベートがうまくいかない時にいろいろと話を聞いてもらった。山という下界から隔絶された環境と、彼の包容力あふれるパーソナリティに触れて、僕の悩みごとはいつも溶けていった。

それから時間が経って、僕もささやかな幸せを手に入れて、仕事のほうでも少しずつ階段を登っていくことができた。彼にも同じように、いやもっと幸せになってほしいと願っていた。

昨日はその彼の結婚式だった。たぶん、今まで出席してきたなかで1番嬉しい結婚式だった。おめでとう。