ナベツネと読売。

ディスクレイマー代わりでもないけど、きょうのエントリは特定の企業グループのことについて書くので、なかには気を悪くされる方もいるかもしれない。本当はこういうことをわざわざ書かないほうがいいのかもしれないけど。。

★★★

ナベツネはいろんな意味でこれから登場することのない大物だと思う。

まぁ老害だとか散々言われているのだがこの人の耳には全然入っていないのだろう。それも含めて凄い人だと思う。というのは、横浜ベイスターズの身売り先としてDeNAが挙がってきた時に、そんな名前の会社知らない、と一刀両断し(まぁ知らないのも無理はない)、その後彼なりに調べたところ「出会い系サイトをやっているのは問題」「球団保有企業は品の良さを最低限持ってもらわないと」(以上スポニチ記事より引用)とのコメントに至る。これらのコメントに特に特定の感情を抱くことはない(あえて言うなら個人的には品や品格を周りに声高に求める人に品のある人はいないとは思っているが)し、この歯切れの良さこそがナベツネの良さだなぁと感嘆してしまうのだけど、唯一そこはかとなく埋め難い世代間の断絶の空気は感じられるのだ。

ナベツネが嫌いかと言うと全然そんなことはない。頭の切れる人であり、日本が歩んできた道のりの一翼を担った大人物であることは間違いない。なんだかんだいいながらも彼の発言は僕は好きだし、それ自体を批判するつもりもない。

ただ、振り返ってみれば、長嶋茂雄が監督をしていた頃までは(既に70代に入っているにもかかわらず)ナベツネもいい存在感を放っていたはずなのに、どうも近鉄バファローズが消滅したあの頃からナベツネがいることが読売グループにマイナスの効果しかもたらせなくて、それでも彼を担がざるを得なかった読売グループのカルチャーに残念さを感じてしまうのだ。

近年の読売ジャイアンツはなかなか生え抜きの若手が育ってきて、玄人好みのいいチーム(少なくとも阪神よりは)になっているのだが、そんなジャイアンツに入団すれば「巨人軍は紳士たれ」の精神(ナベツネへの敬意込み?)を叩き込まれるのかなぁと変な想像をしてみたり。それは行き過ぎだとしても、読売グループ全体にそれに近い空気をどうしても感じてしまう。個々の人は素敵な人が多いし、その人たちをレッテルで判断するつもりもないし、レッテルで判断することが間違っているのは百も承知ではあるけれど。

まぁしかし、これだけナベツネの発言が報道されるっていうのは、やっぱり彼は愛すべきキャラなんやろうね。好きと嫌いという感情は似たものなんだろうなぁ。