墜落。

朝の通勤電車に乗っていた。途中駅で人の出入りが激しく、思わず一度ホームに降りようとしたところ、手に持っていたiPhoneがこぼれ落ちた。ひと刹那、ホームのへりに着陸したかのように見えたが、スローモーションでそこからまた傾き、ホームの下、線路脇に墜落した。


2分ごとに電車が滑り込んでくるこの時間帯だ。拾うのは到底不可能だと観念して、昼間のうちにすくい上げてもらうのを待つことにした。仕方がない、自分自身の不注意だ。ただそれだけでなく、日頃の気の緩みがこういうところに噴出したのだと思う。ふるまいが傲慢になっていないか、こういうときにこそ自省しなければ、また落とし穴にはまってしまう。


果たして夕方になって当該の駅に戻り、無事水揚げされた愛機と対面する。なんとも嬉しいものだ。愛機と離れていたこの数時間はなんとも心もとなかった。そんな気持ちになること自体どうかとは思うが、もうiPhoneは身体の一部になってしまっているのだろう。

隔世の感。

8年前、東日本大震災のときに、当時遠方から通勤していた女性は会社の近くにホテルを取って通勤していた。彼女の業務が1日たりとも欠けてはならないものだったかどうかはもはや覚えていないのだけど、今から振り返れば隔世の感がある。台風などの災害で交通機関が乱れているときに、なにがなんでも出社しようとする人はずいぶんと減ったはずだ。


あと数年もすれば、平時に通勤ラッシュに揉まれて通勤することすら、ぐっと減ってくるだろうと僕は信じている。そうなれば、都心への交通アクセスや駅近であることに価値が見出されていたいまの不動産マーケットも若干変わってくるかもしれない。住居もしくはその近くのサテライトオフィスで過ごす時間が長くなれば、周りの生活環境がより重要な要素となるだろう。


時代が変われば価値観もどんどん変わっていく。昔の価値観に固執したり、むやみに振りかざすおっさんにだけはならないように。。

おせっかい。

新入社員の子としゃべる機会があった。社会人人生のなかで新入社員がいる職場環境にいたのはほんの数年くらいなので、こちらが新鮮な気持ちになる。


老婆心ながら、彼の配属先でのふるまいについて、気をつけたほうがいいことをアドバイスしてしまった。いろいろと希望を持って仕事に臨むつもりだろうし、変に気を使わせるような処世術を最初から教え込むのはいかがなものか、と思いつつも、彼がつまらないことで最初の配属先の周りの人の反感を買うような芽を摘んでおいたほうがいいのではないか、と思ってしまいつい口が出てしまった。


もう世代も全然違うので、このおせっかいなアドバイスをしてしまって良かったのか、とんと判断がつかない。本当ならば、のびのびと自分の力を発揮してもらうべきなんだろうとも思うし、そうでない場所に居させることへの申し訳なさも感じる。若者の人生を預かって、成長をサポートするのは簡単なことではないなと改めて感じいる。

仮面ライダー。

息子も年中クラスになって、幼稚園の男の子のあいだでは仮面ライダーが流行っているらしい。気の早い子などはスーパーなどで筐体が置かれているカードダス(死語?)のカードを収集しているようだ。 うちの子はというと、テレビで毎週放送される仮面ライダーすら見ていない。家ではひたすら「おさるのジョージ」を見ている。一方で、幼稚園の七夕のたんざくや、何かの際のアンケートなどでは、(大きくなったら)仮面ライダーになりたいなどと答えている。 僕自身小さい頃はマイペースで、周りの友達に合わせてマンガを読みたい、ゲームをしたい、アニメを見たいなどと思ったこともあまりない。多少、この話ついていけないから早く終わってくれねーかな、くらいは子ども心に思ったことくらいはあるけれども、それが原因で親を恨んだり、トラウマが将来に残ったこともなかった。 同じシチュエーションで息子はどう感じるだろうか。こういうことで変に妬み嫉みの感情を抱いてほしくはないなぁ、と思うけれども、こちらで願うだけではどうにもならないことだ。

上辺でなく。

夏がまた舞い戻ってきたような週末。昨日は少し離れた公園で遊び、午後はスイミング。きょうは買い物を済ませたあと野球。あっという間に二日間が終わる。


そしてもう今年も3分の2が終わってしまった。ついこの間年越しをしたような気がするのだが、本当に時間の流れは速い。今年もまた、まだなにも成し遂げていないように思える。


極力ひとつひとつ取り組んできたことは記録にも残し、ただ忘却していかないように気をつけているのだが、本来ならば腰を落としてじっくりと取り組みたいようなことも、上辺をさらっとなぞるだけで自分の手元から離してしまっていることが多い。なにか本当に没頭した、と言えることを、仕事でも仕事外でも作りたい。


体力のリソースはだんだん小さくなってくる。気力はまだ維持できるので、気力をうまくコントロールして、効率よくアウトプットしたい。でも、「効率」なんて考えていると、いつまで経っても上辺だけなぞっているだけにもなりそうだし、悩ましい。殻を破りたい。

イノベーション。

社会課題を解決するためのベンチャー企業が増えてきている。それも、マンパワーというよりはイノベーションで解決しようという人たちが増えている。


いま10代で天才と呼ばれているような子たちもみんな揃って、イノベーションでこの地球上の問題をどうにか解決できないかと頭をひねっている。


どのタイミングでかは分からないけど、早ければ3-5年、遅くとも10-15年のうちに産業構造も、人々の価値観も大きく変わるのだろう。世界を引っ張る人たちの顔ぶれも変わるだろう。


首都圏では相変わらず中学受験が盛んだけれども、勉強していい学校、いい(安定した?)勤め先を目指すことにいまどういう意味があるんだろうか。正解のない、将来を予測することの意味がなくなっている世界では、好きなことにまっすぐに生きるしか道はないと思うのだが。


もう親が子どもにああしなさい、こうしたほうがいいと言える時代ではなくなったし、自分自身も、アップデートしていかなければならない。

ほころび。

ガイアの夜明けが「肉特集」としていきなりステーキと肉ライクの両社をフィーチャーしていたのだが、いきなりステーキがテレ東お得意のこき下ろし方をしていて胸が痛くなった。ニュートラルに両社を取り上げているのだが、ニュートラルに捉えているがゆえに、両社の差が際立ってしまうのだ。あれを見せられていきなりステーキが巻き返すと思う人はいないだろう。


どう見ても社長のワンマンが悪い方に出ている。というか、イエスマン太鼓持ちばかりが並ぶような経営会議が放送されるのを見て、社長はなにを感じただろうか。あれで自らの経営手法を恥じなければ、もうこの会社の転落は止まらないように思う。お客から見ても、あんな社長がやっている会社でメシを食うこと自体が恥ずかしい、というレベルだと思うし、「人財」募集もいよいよ止まるだろう。


とはいえ、今回はメディアをうまく使った焼肉ライクも、わずかではあるが、ほころびめいたものが見えてしまった。飲食業は栄枯盛衰が激しいし、ほんとに難しい、、