墜落。

朝の通勤電車に乗っていた。途中駅で人の出入りが激しく、思わず一度ホームに降りようとしたところ、手に持っていたiPhoneがこぼれ落ちた。ひと刹那、ホームのへりに着陸したかのように見えたが、スローモーションでそこからまた傾き、ホームの下、線路脇に墜落した。


2分ごとに電車が滑り込んでくるこの時間帯だ。拾うのは到底不可能だと観念して、昼間のうちにすくい上げてもらうのを待つことにした。仕方がない、自分自身の不注意だ。ただそれだけでなく、日頃の気の緩みがこういうところに噴出したのだと思う。ふるまいが傲慢になっていないか、こういうときにこそ自省しなければ、また落とし穴にはまってしまう。


果たして夕方になって当該の駅に戻り、無事水揚げされた愛機と対面する。なんとも嬉しいものだ。愛機と離れていたこの数時間はなんとも心もとなかった。そんな気持ちになること自体どうかとは思うが、もうiPhoneは身体の一部になってしまっているのだろう。