食傷。

1週間の予定を終えて、足腰も脳もぼーっとした状態でホテルの部屋に戻ると、海外のドキュメンタリーが放映されていたので放心状態で見る。中国のそこまでメジャーでない、でも大都市の路地の話だ。コロナ禍を経て、大陸中国も経済成長をしたとはいえ、人々の営みはまだまだローカルな感じで、すごく懐かしい感じがした。生活の根幹は、自分が訪れた20年くらい前とそこまで変わっていないように思う。

 

いつかはまたあの空間に身を委ねてみたいという思いが巻き起こってきた。バックパックを担いで1日1000円ちょっとで旅をしていた時期。いまはもう物価もえらく違ってきてしまっているので、同じようにはいかないのは分かっているが、いま背負っている責任からなにもかも解き放たれた時に、ふらっと身ひとつでさすらってみたい。そこそこに安定をしている生活はそれはそれで必要ではあるし、ふらふらしてしまうと不安になってしまう自分もいるのだが、満たされていたり、もがき続ける人生は時に食傷ぎみになるのも確かである。