コオロギ?

コオロギが新しい食物として推されており、これに対して利権だの、陰謀論だのみんな好き勝手言っている。いまだかつてこれほどまでに、ブームに対して策略だのなんだのと叫ばれた時代はあったのだろうか。米国はCovid-19に対するワクチン接種率が低いままで推移し、かなりの犠牲者を出し平均寿命も縮めてしまったが、度合いはまだまだ違えどこの国もまた同じように、みながそれぞれに好きなものを信じて、それに縋って生き、考えの異なる者どうしは分断されていっているような気がしてならない。

少々非科学的であろうとも、人が特定の考えや信仰を信じて、それによって精神の均衡を保つことができるのならば、それで別にいいではないか、という考えをわたしは持っている。

そういう意味では、東アジアで強烈に進む少子高齢化も、ある種の信仰が行き着いたひとつのゴールなのだろう。生まれなかった子ども、再生産されなかった世代、という側面から、犠牲者が出ていると言ってもいい。ここでもこの国もまた、比較的マイルドながらも、少子高齢化は既に取り返しのつかないところまできている。これも例によって、是非を問うものでもないのだが。