ふかふかの雪。

関東の北の端に出張。強い寒気が流れ込んでいるわけで、県庁所在地の街を過ぎると車窓は雪景色に変わる。これが北東北や北海道などでは毎年のことだというのは、本当にたいへんなことだと思う。氷点下4度に冷え込むだけで、水道管が凍結したり、道路でスリップが相次いだりとインフラが麻痺してしまうのだ。それよりもはるかに厳しい気候の中で経済を回して暮らしていくということは、温暖な気候で暮らす民には想像もつかないことが多いはずだ。

電車を降りて、ふかふかの雪が積もる市街を移動する。雪に慣れていないこの街は出歩く車もまばらで、幹線道路の除雪もあまりされておらず、いつもよりも移動に時間がかかる。おまけにそこかしこの食堂が臨時休業になっている。かろうじてチェーンレストランは店を開けており命拾いした。

食事を済ませて少し外を歩く。昼過ぎでも気温は氷点下5度のままである。しかしながら寒さはあまり感じない。雪がふかふかと積もっているからだろうか。気温5度の東京の街をビル風を受けながら歩く方がよっぽど寒いのではないかと思ってしまう。不思議なものである。

夕方近くになってようやくしんしんと降り続いた雪がやんだ。