球春。
プロ野球が今年も開幕している。予定通りの開幕が叶ったし、観客の入場制限も撤廃された。少しずつ2019年までの状態に近づきつつある、と言ってもいい。
とはいえ、もう元には戻らない部分もある。観客の制限が撤廃されたとはいえ、各球場の入りは開幕カードにしては鈍いように感じる。まだまだ、密な状態のスタジアムで観戦することへの抵抗感も根強いし、現実問題としてスタジアムのチケットの価格も上がっており、気軽に手を出せるものでもなくなっている。一方で有料放送のクオリティは年々あがってきており、コアなファンであっても、スタジアムで現地の空気を感じることよりも、放送を通じて細かい技術面をつぶさに見られること、分析できることにメリットを感じる人のほうが増えているのではないだろうか、と思うこともある。
リアルでしか得られない体験とはなにか。そういったものを提供できるのはどのような選手か。そういう観点からスポーツの価値を考える時期にきている。とかく色モノ扱いされがちではあるが、BIGBOSSの新庄監督は、勝ち負けはともかく新しい基軸を打ち出してはくれそうである。