メタバース。

メタバース、という言葉がにわかにメジャーになりつつある。Webを使いこなしてきた人たちが老年期に入り、身体の自由がきかなくなってくれば、さらにこの概念は重要なものになってくるだろう。


とはいえ、Webツールが生まれる前からずっと、メタバースは存在していたよな、とも思う。小学生の頃は、図書館が好きで、よく本を借りてはその世界に没頭していた。あの時間は確かにメタバースのように、自分自身を本のなかの登場人物として想像の翼を巡らせていた。もう少し後の時代になって、大学生の頃、深夜特急をはじめとする旅エッセイや旅行記を記したWebサイトを片っぱしから読み耽っていた頃もまた、旅の世界に自分を没入させていた(そして自らも旅立っていった)。


小学生の頃はもちろんガジェットなどなにもなかったし、大学生の頃はかろうじてPCからも情報を仕入れることはできたが、非常に限定されたものであった。それでも、今よりももっとその世界に浸ることができていたと思う。


ここまでどんな情報にもたやすくアクセスできるようになった人類が手に入れるメタバースとはどんなものなのか、逆に興味が湧いてくる。