時刻表。

図書館でJTB時刻表を借りてきた。別になにか旅に出るわけでもない。単にパラパラとめくってみたくなっただけだ。


その昔、実家では毎月の時刻表を買っていることが多かった。別に頻繁に出張に行くわけでもないし、旅行の回数も多いわけではないのに、なぜ毎月1000円近くもする代物を買っていたのかは謎である。とにもかくにも、そのおかげか自分は新聞とともに時刻表を小学生の頃から愛読している子どもであった。それどころか、旅行のモデルルートを作ってノートに書いていたり、架空の路線を作ってその路線の時刻表をノートに書いてみたりするような子どもであった。


あの頃と変わらず時刻表はいろんな想像力をかき立てる書物である。あの頃と違って、列車の時刻はweb上でおカネを払わずとも簡単に手に入れられる時代になったので、時刻表は情報入手の手段というよりは、気ままに読んで偶然の出会いやインスピレーションを楽しむものとしての性質をますます強めている。時刻表の上の数字をなぞるだけで、頭の中はその列車に揺られて景色を見ている自分になりきることができる。