復興とは。

東北出張に。仙台以北の太平洋岸に行くのは5年ぶりくらいのことである。あの頃いろいろと思い悩んでいたことも含めて、懐かしい気持ちで降り立つ。あまり変わっていないように見える場所、町ごと大きく作り替えられた場所とそれぞれである。

震災のあるなしにかかわらず、この地域は日本の抱える問題が凝縮されたようなエリアだ。とにかく人がいない。まだまだ復興に向けた工事が続いており、それに人手が取られていることもあるし、町が破壊され、生活の基盤が破壊されたことで、仙台などの大都市に移ってしまった人も少なくない。

人はいないが、皮肉なことにカネは入った。日本らしい丁寧な仕事ぶりで、見た目は綺麗になった。ただ、人がいない。出生率を増やすだとか、若者の定着率を上げるだとか、そういったことはもう出遅れなのだろう。現実をみれば、無理のない範囲内で地方は手じまいしていくしかないのだろう、と思わざるをえない。

やっぱり、地方に行くと考えこんでしまう。