寒波と回収。

暖かい日が続いたあとに日本列島にも寒波がきた。落差が大きいだけに身にしみる。普段のこの時期ならば風邪のひとつでもひいていたはずだ。一昨年のこの時期などは、息子はインフルエンザにかかっていたよなあ、などと思い返す。なにもかもがいい思い出だ。


空気が冷えているので、早足で歩いてもなかなか身体が温まらない。風の吹き溜まりの場所には、カサカサに乾いた落ち葉が丸く子を描いている。やっとのことで、目的地のビルにたどり着き、ふうとひと息つく。


とある人に紹介してもらった人は、実は16年前に会ったことのある人であった。人生は巡り合わせなのかなあ、としみじみ思う。次に会ったときは、ちゃんと自分の胸のうちを相手に話そうと心に決める。もう、自分を取り繕ってもダメなんだ。


人生の後半戦は、置きっぱなしにしてきた忘れものを回収する旅なのかもしれない。もちろん新しいチャレンジもするのだけど、若い頃に携わってきたこと、そこでスキップしてしまったこと、家族との関係、そういったものにひとつずつ向き合い直して、丁寧に始末をつけていく時間なのかもしれない。