大暑。

きのうは久しぶりに栃木・群馬方面へ出張。この時期になると熊谷と並んで、館林や伊勢崎・前橋といった地名をニュースで聞くようになる通り、関東平野の一番奥にあたるこの地域は、昼間になるとぐんぐん気温が上がる。もちろん暑さを感じるのだけど、東京と比べるとそれほど湿度は高くないような気がするし、空調設備の排熱のような嫌な暑さも感じないので、言われているほど過ごすのが厳しい気候のようには感じない。中東や中国内陸部などで感じる猛烈な暑さも同じようなものなのだろうと思う。暑くても、人の密度が少なければ、それほど不快には感じない。太陽のもたらす熱を、ずっと続く水田が吸収している。人影の少ない駅前に降り立つ。

バスで山間部に行く。川に沿って、どんどん奥地へ行く。標高を上げているわけではないので、気温はほとんど変わっていないのだろうが、川が流れていて、木々の間を風が吹き抜けて、涼しさを感じる。こんなところで暮らしていれば、あえて空調を付けるのがもったいなく感じるだろうなぁ、というくらい、気持ちの良い風が吹いている。小さな集落にも、立派な社が建っている。帰りのバスには、プールで遊んできた小学生がどっと乗ってくる。色とりどりのプールバッグが、ひとつまたひとつと、バス停ごとに降りて散開していく。道ばたではカブトムシを戦わせている子どもの姿が見える。青空に薄い雲が張っている。

平地に戻ってきて、少し歩く。空調に冷やされた身体が少しずつ周りの熱気に包まれて温まっていくのがわかる。歩いている分には気持ちいいが、ふと立ち止まると、ものすごい量の汗が流れ出ていることに気付く。建物のなかに入って、ハンカチで拭いても汗が止まらなくて、人の前で恥ずかしい思いをする。冷えた身体がなかなか温まらないように、いったん温まった身体はなかなか発汗を止めてくれない。ほうほうのていでひと仕事を終えて、駅前の居酒屋に入って、遅いランチを食べる。身体から失われていった水分を補給する。空調の効いた東京に戻る電車のなかで、深い眠りに落ちる。未だ太陽は高く照りつける。

★★★

東京に戻ってくると、泳ぐような湿気に包まれる。ふと気を抜くと、ふらふらとしてしまいそうだ。今年は特に食事には気をつけて、たっぷり栄養を摂るようにしているが、それでも夏バテしそうになる。たっぷり寝ても、昼間には眠たくなる。今年は7月頭まで比較的涼しかっただけに、まだまだ夏の折り返し地点は先になるだろう。