サウナ再び。

またもホテルのサウナに沈む。昔はサウナが苦手で3分といられなかったはずなのだが、いまは90度の部屋に10分以上入っていても平気である。そして水風呂も入れるようになった。


サウナ水風呂の交互浴が2クール目に入ってくると、ズーンと頭の上から押し付けられるような重さがやってくる。心は無になり、意識レベルが落ちて肉体はただ汗を噴き出すだけの代物になる。


下を向いていると首が凝りそうなので、顔を上にあげて口をぽかんと開ける。白熱灯の電球がまるで太陽のように思え、目をつぶっている瞼の向こうから煌々と眼球に光を送ってくる。


瞼の裏で、アナログテレビのザーっとしたような白黒の残像が流れる。渦を巻きながら、その渦が大きくなったり小さくなったりを繰り返す。ひとつずつ、凝り固まっていたものが解きほぐされていく。灼熱のなかでどんどん心が軽くなっていく。心臓の鼓動がどんどんクリアに聞こえるようになってくる。