完徹。

完徹をした。前に徹夜をしたのは2年前くらいだろうか。若い頃は眠れないときには次の日がしんどいなあと気分が落ち込み、交感神経がどんどん過敏になって負のスパイラルにはまってしまっていたのだが、今となっては1日くらい眠れなくたってどうってことないやと大きく構えていられるようになった。そして3時くらいになるともう開き直ってこのまま朝まで起きておこうか、という気持ちになってしまう。


始発の時間になって、のろのろと駅に歩いていく。ごみ収集車が勢いよく路地から出てきて、危うく轢かれそうになる。地下街には制服を着た清掃員が、床を丁寧にクリーニングしている。この人たちはどこで夜を過ごしたのだろうか。


いつもと違うホームに停まっている始発電車に乗り込む。眠気はあるのだが、目を閉じてもそのまま眠りにおちることもない。思考は麻痺していて、なにも考えることはできない。身体に極度の疲労を抱えたときに余計な力が全て抜けるように、精神が最もあるがままの状態にあると言ってもいいのかもしれない。