寿司。

実家の近くの寿司屋で食事をした。十数階の高さにある店で、暮れなずむ大阪平野が見渡せる。10年近く前に家族含めてきたことがあったっけか。

まだ身体が本調子ではないものの、外の人を前にすると気持ちがシャキッとするのか、魚介類を食べてもそこまで身体の反応は出なかった。とはいえおそるおそる、普段から苦手なウニなどは口にしないようにと気をつける。お酒もほどほどにしておく。

お酒が入ってきて、相手方は少しイライラしてきたようだ。5回に1回くらいはこういうこともある。幸いなことに僕には刃は向いてこないのだが、店員さんや、ここにいない話題の主などに矛先が向くことがある。あまり良い気はしないまでも、たまには言いたいことを言ってもらうのも必要だ。こういうときに必要以上に気を揉んでしまう自分は損な性格ではある。

好い加減のところで宴を切り上げて、地元の街並みを歩いて帰る。心地よい疲れに包まれて、実家の扉を開ける。