乱気流。

2000年代前半というのは、日本経済自体が乱気流に巻き込まれていた時期なのだろう。きつくシートベルトを締めていた(堅実な組織に勤めていた)人までもが容赦なく揺さぶられた時期であった。多少なりともシートベルトを緩めていた(リスクを取っていた)人たちは多くが吹き飛ばされた。本人がそのタイミングで取っていた姿勢にかかわらず、座っていた場所が悪い(取っていたポジションが悪い)場合には、いくら踏ん張っても潰れてしまったりもしたはずだ。

一方で、絶妙に気流を捉えて一気に上空に舞い上がった人もいた。風が吹いてきたところで、大きく自分の羽根を広げて、またたくまに一生かかっても使いきれないような資産を手に入れた人もいる。思い切りよく行動すること、努力を怠らないこと、集中力を高めることなどは成功するための必要条件ではあるが、残りはまさに運だ。

2000年代前半の僕は、幸か不幸か学生であり、乱気流が巻き起こっていることはなんとなく分かっていたが、対岸の火事であった。次の乱気流は確実にあと5年で訪れるだろう。いまはそこでどう振る舞うか、ということだけに集中している。