まだ遠いか?

仕事を終えてから新幹線に乗り大阪へ。出張でない形で西に向かうのは新鮮だ。ついでに言えば、窓の外がすっかりと暗くなった状態で西に向かうのも新鮮だ。

とっぷりと昏れた大阪駅に降り立って、最近は会う機会が減った旧知の友と食事をする。仕事でない形で降り立つ大阪の街は、やはりというか少し違って見える。暖かい空気をまとっているように見える。

ここ十数年くらい、いろんな立場で、いろんな人と歩いた北新地からお初天神東通りの界隈。仕事ではないからこそ、いろんなことを思い出す。過ぎ去っていってしまった人のことも思い出す。

いつしか年賀状が途切れたあいつは元気にしているだろうか。もしまたどこかでバッタリ会っても昔のように話ができるだろうか。

僕だけでなく、いろんな人の人生の場面を呑み込みながら、繁華街はまた年月を重ねていく。夜が更けても、雑踏を行き交う人が途切れない。

タクシーの赤いランプが並んでいる。僕らはどこからきてどこにいくのかと考える。いまこの日のことも、また十数年経って思い出すことになるのだろうか。