友だち。

地元の大切な友達に2年ぶりに会う。あまり風貌の変わらない彼は、見かけ自体はおっさんのようだけれども、その顔は少年のようだ。なんというか、目が少年のように優しいのだ。

昏れかかった街を歩きながらぽつりぽつりと話す。言葉を選びながら、空いていた時間のことが埋められていく。どれだけ時間が空いていても、立ち位置が違っていても、すぐに距離は詰められる。

彼の日常はややもすれば淡々としているように見えるけれども、たまにサラッとびっくりするようなエピソードが出てくる。なんというか、彼にとっては普通という概念があまりないように思う。

彼はどこまでも不器用だし、いまの世界は彼にとっては生きづらいものなのかもしれない。でも、彼がこの世界に生きる意味は間違いなくあるし、少なくとも僕はここ20年以上たくさんのパワーをもらってきた。

なにがあっても彼は彼で変わらないし、彼と僕の関係が変わることもないだろう。これまでの30年も変わらなかったし、あと30年経っても変わらないと信じられる。