登園道すがら。

早朝から出張となる日を除いて、朝の保育園への送りは僕の担当だ。妻が家を出て15-30分後、電動自転車に乗っけて出発する。前かごが子どもの座るスペース、後ろかごには仕事カバンと保育園バッグがぱんぱんに詰まる。

気候のいい時期には息子に話しかけながら走る。信号待ちになると自転車から下りて顔を覗き込む。しかしながら今の時期は寒風にさらすわけにもいかないので、前かごのカバーを閉める。すきま風も入らないように閉めるので、前かごは密閉空間になる。それでも朝の冷え込みのなかでジッとしているのは辛かろうと思うが、案外息子は寒さに強いのか、保育園までの道のりの間に前かごに座りながらも眠りに落ちてしまうこともままある。

前かごを閉めていると話しかけることもできないし、息子の姿も頭くらいしか見えなくなる。そうすると仕事のこと、しかもきまって悩ましい事が頭を占めるようになる。前かごに息子が乗っていることを忘れて、考え込みながらペダルを漕ぐ。そうして保育園に着く段になって、息子のことを思い出し、仕事のことなんぞ考えてしまっていたことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。