新横浜ステイション。

遅い時間に関西方面から帰ってくる。新横浜駅で降りて横浜線にひと駅、そこから東急東横線に乗るのだが、夜間の横浜線はうんざりするほどに混雑している。おまけに本数も減るのでやたらと待ち時間が長い。横浜線全体でみれば、それほど利用者も多くないので、新横浜から菊名までのひと駅間の混雑には目をつぶる、というのがJRの目論見だろう。そんなわけで新横浜駅横浜線ホームはいつも、電車を待つ人の列がホームの反対側に届かんばかりに伸び、人いきれで気分が悪くなる。出張の疲れが最大限に増幅される瞬間である。

ある日ふと、横浜線に乗りたくなくなり、そのまま新横浜駅の改札を抜け出る。かといって新横浜駅から直接タクシーに乗る勇気もなく、ふらっと溝の口行きの急行バスに乗る。遠回りでもあり、時間的には我慢して電車に乗るよりも20分余計にかかるのだが、帰りの新幹線の空調が暑すぎたせいもあって、とにかくいつもと違うことをして気持ちをスッキリさせたかった。

バスは第三京浜をするすると走る。久しく乗っていなかった夜行バスに乗っている感覚。もう人生のなかで夜行バスに乗ることはさすがにないはずだと思いながら、自分の住んでいる町の夜景を遠くに眺める。