胆力。

ビジネスの世界で一流と言って差支えのない方のふるまいには、必ず胆力が備わっている。胆力のある人が登場して場の雰囲気が変わり、話の流れがひっくり返る場面を目の当たりにして、胆力を身につけなければ自分も早々に壁にぶち当たる、という思いを強くした。

胆力とはどうやって身につくものなのだろうか。修羅場をくぐり抜ける経験、密度の濃い時間を積み重ねることが大きな肥やしになることは間違いなさそうだが、それにもまして、基礎的な精神力、覚悟を受け入れる力が必要なように思う。経験や時間にそのような力を掛けることで胆力が養われていくのだと思う。

胆力は使いようによっては、ものごとを自分の都合の良いようにねじまげることもできるはずだ。ただ、そういう方向に胆力を使ってしまうと、たちまちに胆力はその力が通じないものになってしまうようになる。そのようにダークサイドに堕ちてゆき力を失う者の姿を見てきた。また、自分に備わっている胆力が少なくとも、相手に隙や油断があれば、簡単に足元をすくうこともできることもある。

胆力、今一番欲しい力である。意識して身に付けづらい力でもある。