面。

勉強にしても、仕事にしても、恋愛にしても、その他人生もろもろのことにしても、得意だとか不得意だとか、そういうことが生まれつき決まっているわけではないのだと思う。それらはマリオのゲームに似ている。

マリオのゲームは、1-1の「面」から始まる。始めはそれなりに簡単でほぼ全ての人が何度か試行錯誤を重ねればクリアすることができる。クリアの仕方は、センスに任せてひとりでに指が動く人もいれば、自分なりのコツを体得する人、攻略本に従ってスキルを上げる人、ひたすら努力を重ねることによって上手くなる人など、それぞれのやり方がある。

やがて誰もがどこかの「面」で壁にぶち当たる。その面をクリアするために、さらに努力の量を増やしたり、今までのやり方を変えてみたり、誰かの力を借りたりする。生まれつきのセンスだけで壁を越えることはできない。

そこで壁を越える人もいれば、投げ出してしまったり、言い訳をして逃げ出してしまう人もいる。外の力を借りるのが恥ずかしくて、そっと挑戦をやめることもある。そうなれば、その「面」より先には進めない。いくら見かけを取り繕っても、実力はその「面」で止まったままだ。

むろん、先の面に進むことだけに価値があるわけではないし、進む道の数は無数にあるわけで、方向転換をすることは自由にできるのだけど、一時の辛さや恥ずかしさで次の面に進めていないのは、なんとももったいない。