カニさんぽ。

久しぶりに体重を計ってみたらあらあら、、な数字が弾きだされて、近所をウォーキングするようになった。マラソン以来足の爪を怪我していたこともあり、通勤の自転車以外ほとんど運動していなかったのだ。

わが家の西側には台地が広がっている。標高差は50メートルほどもあり、さながらエアーズロックのような地形である。そのため台地に登る道はすべて急な傾斜がついており、1番傾斜が緩いはずのバス道ですら、今年はじめの大雪の際には車が相次いでスリップを起こし、台地の上はさながら陸の孤島となったほどである。最近のウォーキングではそのあたりをぐるぐると歩いている。傾斜があるので速足で歩くだけで息があがってくる。

歩いてみて気付いたのは、台地の上のエリアにも想像以上に人が住んでいるということだ。わが家の周りでは竹林や畑もあったりするので、台地の上もゆったりとした土地利用がされているのかと思いきや、もともとからある公務員住宅をはじめ、新しめの団地がいくつかそびえたっており、さらにここ5年〜10年ほどの間に建てられたマンションが斜面にへばりつくように鎮座している。台地だけあって地盤は相応に硬いのだろうが、土砂崩れなどはないのだろうか心配になる。そして場所によっては日々の通学通勤は大変だろうな、とも思う。通学と言えば子どもが増えて小中学校はパンク状態に近いそうで、そんなことも最近まで知らなかった。共働きで暮らしていれば地域のことに疎くとも何ら支障がない、ということに改めて気付く。

このあたりは地名の通り、台地に谷がいくつか切れ込んでいる。台地の上に降った雨は、地上ではなく地中の暗渠を通って、わが家のすぐそばにある川に流れ込む。その川は、はるか上流、武蔵野の台地のあたりから水を集めて、最後まで多摩川に合流することなく独立したままに東京湾に流れ込む。水の流れを意識することで、現代の行政区分とは違う切り口の、地域の割り方が見えてくる。同じ川の流域を共有する、というつながりの形である。

他にも、野菜の無人販売所があったり、ちょうどこの時期みかん狩りもやっている農園があったり、古墳や釣り堀やユニークな石材販売所まであったりと、わが家の周りはなかなかバラエティに富んでいる。2年半住んでいて初めて気付いたことも多い。週末の夜には今どきの日本では珍しく暴走族の爆音が聞こえてくることもあるが、トータルでみればなかなか住みよいところだと思う。つけ加えると、台地からの東京方面の見晴らしは、昼も夜も素晴らしい。