さようなら103系。

大阪環状線から103系が消えるそうだ。2016年から新型車両が投入され、遅くとも2019年3月までには完全に置き換えが完了するとのこと。場合によってはもっと早くに姿を消すのかもしれない。

オレンジ色の103系、関東ならその昔中央線や武蔵野線で走っていただろうか。21世紀に入って新型の通勤車両がどんどん登場しても、大阪環状線では103系が未だに走り続けていた。僕にとって物心ついた時に走っていた電車と言えばオレンジ色の103系であるし、中高の6年間通学で乗り続けた車両だ。昭和生まれらしい角が四角くて武骨な車両、やたらと重くて加速も減速も鈍い足回りは、丸みを帯びて軽い今の通勤電車とは確実に一線を画す、なんとも男らしい姿であった。

大阪環状線で走っている103系は、1980年までに製作されたもの、となると全ての車両が僕よりも年上になる。30年をゆうに越えて、大阪の街をぐるぐる走っていたわけだ。「国鉄103系と呼んだほうが良いかもしれない。

大川の両岸に咲く桜、猥雑な京橋のネオン、森ノ宮から寺田町のあたりの下町の雰囲気、ゲロの臭いのする天王寺、西成の町並み、芦原橋から西九条のあたりの工場地帯、大阪城大阪ドーム大阪駅の広いホームに溢れる人波、どの風景にも103系があった。あと何度見られるだろうかと思っている。