乗鞍天空マラソン その2
(前回の続き)
スタートからちょうど3時間、途中から先行していたI氏とK氏とほぼ1〜2分差で山頂折り返しに到着。おにぎりと煮物も用意されている。2,3分休んで下りに出発。ただ重力に逆らって足を運ぶだけなのだが、登りで既に足がかなりパンパンになっているので、足を着地させるのが辛い。もともと登山でもあまり下りは得意でないし、会社までの往復1時間の自転車通勤をしなくなってから、脚の筋肉も若干落ちており、無理してしまうと脚が攣ってしまいそうになる。事実、かなり前の方を走っていたであろう人が、脚を攣らせて道端で止まっていたりする。後でわかったのだが、エイドごとに用意されているエアーサロンパスは痛みを取るのにかなり有効だったようだ。しかしながら一番の要因は僕の精神力の弱さだ。もっと痛い人はいるだろうが、みな我慢して走っていた。
脚への負担がきついので、途中からはまたもや速歩きに切り替え。呼吸は全く楽だし、歩いていればそれほど痛くないので、景色を見て、残り距離と今の歩行速度(だいたい10分/キロ)と制限時間を計算しながら歩いていると、23キロを過ぎたあたりから手先に痺れを感じるようになり、ついには内臓にまでしびれを感じるようになった。内臓に血が通っていない感覚になる。リタイアがちらつく。リタイアとなっては元も子もないので、目標を制限時間内の完走に切り替えて、23.5キロのエイドで止まり、体調の回復を確認してから、ゆっくりと歩き出す。ほどなく後からO氏が追いついてきたので、残りの距離をしゃべりながら一緒に歩いてもらう。O氏には感謝。僕のことを放って先に行っていれば10分以上速くゴールできていたと思う。そこからは体調もさほど悪化せずゴール。I氏とK氏が下りの11.5キロを1時間ちょっとで駆け下りたのに対し、僕は1時間40分以上かかり、200人以上は抜かれたのではないかと思う。
完走したことは素直に嬉しかったが、下りも大半は速歩きだったので、残念ながら達成感はそれほどなかった。それだけに、来年もう一度チャレンジして、ちゃんと力を出し切って達成感のあるゴールを切りたい、と今は考えている。ちゃんと練習を積んで脚を作る準備をしたり、レース中にももっとこうしておけばよかったな、という点にいくつか気付いたので、全てうまく事が運んだときに、どこまでタイムが延びるのか試してみたい気持ちがある。なによりも、今回は途中から、制限時間に間に合うだろうしもう歩けばいいやと思ってしまったので、楽なほうへ流れる自分の心のありさまを改めて痛感した。こういう時に常日頃の自分の姿がよく見える。来年こそは、自分の弱い気持ちに打ち克ちたい。