努力。

30歳近くになっても、それなりに歯ごたえのある資格を取得すべく挑戦を続けている人がたくさんいる一方で、僕は社会人4年目以降に新たに取得した資格がほとんどない。もちろん資格ばかり揃えても実務が残念な人はごまんといるし、今の時代は弁護士や公認会計士の資格を取得したからといって将来が約束されるわけでもないが、いつしか資格取得に向けた勉強と縁遠くなってしまった。

小学校の頃から社会人3年目までは勉強することが好きだったように思う。幸運なことに小学生の頃から勉強すること自体も好きだったし、テストで良い点を取るために策を凝らして、結果に結びつけることにも快感を覚えていた。おそらく自分の両親がそんな環境を与えてくれ、導いてくれたのだと思う。中学校に入学してから高校3年の入り口までは勉強に対して少々だらけた時期はあったけれども、基本的に勉強自体が好きなまま大学受験に取り組むことができたし、最後まで楽しんで勉強することができた。中学受験の時も大学受験の時もいやいや勉強した記憶はほとんどないと思う。なにが良かったのかは分からないが、ありがたいことだと思う。

それに比べると、大学に入ってからの勉強は少しつまづいたように思う。自分の考えていることを過不足なく文章や口頭で表現することに苦手意識を感じた。加えて、丹念に下調べをして勉強に取り組む努力が欠けていたために、中途半端な理解や成果で学問を終わらせたことが多かったように思う(ごくたまに丹念に準備をして取り組んだときは手応えを感じられたこともあったので、やはり努力不足なのだと思う)。しかしながら資格試験の勉強は、高校までの勉強スタイルで取り組めば結果が出るものがほとんどだったので、引き続きちょこちょこ資格を取ったりしていた。

社会人になってからもその延長線上で、実務上必要だったり有用な資格を含めて取得すべく勉強していたのだが、ある時にぷっつりとその継続が途切れてしまった。

「頭がいい」人が頭がいい理由とは、生まれつきだからというよりは、努力を続けた結果頭がよくなったのだと思う。努力を楽しめるような環境が整っていたり、嫌々ながらも努力を継続できる忍耐力があったり、努力を積み重ねてきた経緯はさまざまだとは思うが、その気さえあれば人間は死ぬその時まで努力を重ねて、進化していけるのではないかと思う。遅ればせながらではあるけれど、今年は努力したと言えるような一年にしたいと切に思う。