メタボリズム展。

やっと通常運行へ。思い返せば12月はフィリピンに行った後はバタバタであまり覚えておらず、気がついたら年末になっていた。といっても忙しかったわけではなく、意識的に早く帰宅するようにして、家で食事をする時間をできる限り設けるようにしていた。定時近くの時間で帰宅するようにするだけで、かなり心に余裕も出るし、夜の時間を使っていろんなことができることに気付いた。その分昼間はバタバタしていることが多かったので、時間の経過が早く感じられたのかもしれない。

年末は出張からみで26日から大阪に帰って、早くも30日には東京に戻ってきた。大晦日から4日間移動日なしで、いつもの年末年始よりもかなりゆったりとした気持ちで過ごした。年明けからは予想通り仕事が立て込んできたものの、12月からの1ヶ月間で意識的に休んだこともあって前向きに取り組めそう。

★★★

三連休も仕事に出る日が多かったが、唯一六本木ヒルズに行くことができた。頂き物のチケットで森美術館メタボリズム展へ。もともと建築には興味がないし、展望台から夕暮れの景色を眺めるおまけのような心持ちでいたのだが、想像以上に見応えのある展覧会だった。

メタボリズム(新陳代謝)とは1960年代の10年間に当時の気鋭の建築家が巻き起こした建築運動のことを指すそうで、その通り、それまでの伝統的な寝殿造や書院造といった家の造りに一石を投じるようなデッサンや模型を見ることができた。なかには壮大すぎてコストを無視したような構想(東京湾会場都市)だったり、そこに住む人たちの心理状態がどうなってしまうのか心配になるような無機質なデザインだったりで、なかなか実現に至ったアイデアは多くはなかったようだが、この時代にわき上がってきたアイデアが、何十年の時を経て現代建築に生きているように感じた。建築が進んでいる中国の都市や、ドバイの街並みにもどこかでつながっているのだと思う。

シムシティというゲームが好きだった。ゲーム自体は人口を増やしたり、地価を上げることがゴールとなるのだが、どうしても数値目標だけでなくて、見た目に綺麗な街を作ろうとしてしまう自分の習性をふと思い出した。どれだけ数字上で素晴らしい値が出ても、その街自体の見た目が醜ければ意味がない。そんな意識が人間には備わっているのではないかと思う。