曲がり角、下り坂。

久しぶりにIQテストに挑戦したら、以前と比べてスコアがかなり下がっていてがっくりきた。そんなはずはない!と思って思わず何種類かテストを受けてみたが残念ながら大体同じようなスコアが出た。脳が衰えてきているのかもしれない、と生まれて初めて突き付けられたのはかなりショックだ。

二十歳を過ぎれば細胞は壊れていく。最近は仕事にも完全に慣れてしまい、ほとんど頭をひねるような局面もなくて、脊椎反射的に対応して案件を処理することばかりである。ずっと書き続けている日記も、最近はほとんど頭を使って書いていない(そのせいか、やたら冗長で同じようなパターンの文章の繰り返しになっていると思う)。日頃のインプットの量はそれなりに多いけど、文章の内容を咀嚼しながら読むということをしておらず、まるで現代文の試験で論説文を読むかのごとく、素早くポイントを掴むためのテクニカルな読み方をしているので、インプットの質は低い。けして脳を使っていないわけではないのだが、ここ数年その使い方に偏りがあったり、苦手なことに向き合う機会が少なかったことが、IQのスコアが落ちている原因のように思う。

身体能力も、脳も、自然のままに任せていると衰えがはじまっていくことに初めて危機感を覚えた。これからは今までの蓄えで生きていくか、落ちていく能力を、経験に裏打ちされた勘や大局観で補うことを意識していかなければならないのかと思う。単純な身体能力のピークが過ぎたスポーツ選手はこんな気持ちなんだろうか。

もちろん努力を重ねればこれからも成長することは充分可能だろうし、努力することを諦める気持ちなんてないし、実際に努力をこれからも重ねていくとここで宣言するけど、自分自身の能力の成長曲線が、放っておけばこれからは下り坂のカーブを描いてしまうのだ、と初めて実感した、というのはひとつの大きな区切りになるのだろうと思う。そのことに気付けたことが、努力の方法を変える(選択と集中を行うとか)きっかけとなり、さらなる成長につながるかもしれない。

残酷なことに人生はたいてい、下り坂と付き合う期間の方が長いようにできている。下り坂にさしかかっていることを受け入れたり、受け流したり、抗いながら生きていく。まずは、息長く結果を出し続けている人を観察してみよう。