二軍の帝王。

2011年4月29日、千葉ロッテマリーンズ竹原直隆選手、オリックスバファローズへの金銭トレード成立。いつかは来ると思ったその日は、案外にもあっさりと訪れた。

2004年入団。2005年と2006年には二軍のイースタンリーグで二年連続の本塁打王。「二軍の帝王」とも言うべき無双ぶりで、いやがおうにも将来のクリーンナップとしての活躍を予感させた。実際、2007年後半戦の成績は、ブレイク前夜の2009年のT-岡田や、いまなおブレイク前夜(?)のファイターズ中田翔の成長曲線とダブるものがあった。2007年の段階で専用の応援歌が作られたというのも、ファンの期待をうかがわせる。野球とは直接関係ないが、かなりのイケメンでもある。T-岡田中田翔よりも。

2008年、2009年と竹原はバレンタイン監督にかなり重用された。数試合であるが四番起用されることもあった。しかし、結果が伴わない。実況でも「力みが見られる」と評されることが多々あった。素質は申し分ない。プロ野球選手のなかでも本当に恵まれた体躯を持っている。さらに、二軍で充分な結果を残している。もちろん、日々飲み歩いているというわけでもなく、誰よりも早くグラウンドに姿を現して、練習している。実力に相応しないほどファンが多いのは、ルックスや潜在能力もさることながら、そのひたむきな姿勢が評価されているのだと思う。

しかしながら、ことごとく竹原は打てなかった。時に「バレンタインの愛人枠」とさえ揶揄されるほどに我慢強く起用されながら、打てなかった。そして二軍に落とされると、さも別格かのように打ちまくった。なぜ打てないのかはわからない。プロの二軍で打ちまくるくらいなのだから、素質は圧倒的なものがあるはずだ。なぜ彼はT-岡田になれなかったのか。

いつしか2chでは「ケケ」と呼ばれるようになり、スタメンや代打で起用される度にファンは「これが最終テスト」と皮肉を言った。僕も応援こそしていたが、半ばあきらめの境地でいた。2010年もオープン戦で圧倒的な結果を残すも、シーズンが開幕すると不振に陥り、当時ルーキーの荻野貴司や、清田育宏といった面々に、次代のレギュラーの地位を奪われていった。それでも腐ることなく彼は今年のオープン戦でも好成績を残したが、もはや彼は重用される存在ではなくなっていた。そして昨日。

期待を度々と裏切ってきたにもかかわらず、いなくなると思うと寂しい。本当に寂しい。

最後に彼の応援歌を。

期待の大砲
今こそヒーロー
タケハラ
タケハラ
さあ 行こうぜ
ララ竹原
その雄々しさに
強く伸びるアーチ
勝ち取れ竹原

竹原直隆31歳。新天地での活躍を願わずにはいられない。