relax.

たまたまふらりと入ったカフェが、古い書店をリノベーションしたしつらえであった。旅にまつわる昔からの雑誌や単行本がたくさん置いてある。小物もセンスの良いもので揃えられている。最近はチェーンのカフェで過ごすばかりでこういうところにはあまり行かなかったな、とわが身を振り返る。

奥の方の本棚にはるか昔に廃刊になった「Relax」のバックナンバーが揃えられていた。20年くらい前のものだ。背表紙を見ると思い出す。

その昔大学時代、おしゃれなJ君のアパートには「Relax」が毎月並べられていたのだ。大学1年生の頃などは寮の浴場が閉まるとJ君のアパートにシャワーを借りに行き、夜な夜なそこで雑誌を読んだものだ。大阪というそれなりに文化のあるであろう場所で18歳まで過ごしたのに、こういうものとは無縁で過ごしてきた自分にとって、文化の香りがするものにはじめて触れたのがこの時だったのかもしれない。今だったらどういう手段で若者は、例えばウチの子などは文化に触れていくのだろう。

そんなことを思いながら、文化の香りに包まれたカフェで結局仕事のPCを開いている。外は暗くなり始め、雪がチラついてきた。J君の部屋でだらだらと過ごした時代は遠くになりにけり。。