ともだち。
ふと、友達と呼べる人はいま果たして何人いるだろうかと思い返してみた。学生からの友人もいるにはいるが、正直なところごく一部の密にやりとりをしている人たちをのぞけば疎遠になってしまっているし、お互いのライフステージなどもかなり変わってきていたり、ものごとに対するスタンスもズレてきたりで、屈託なく話せる人は減っている。そしてなによりも屈託なく昔話で盛り上がる時間が日常生活のなかであまりない、というのが現実だったりする。
一方で、仕事関係で仲良くなった人は相応にいる。親しくさせてもらって、年に数度食事をする関係の人もいるのだが、この人たちも友達と言えるかどうかは怪しいものがある。どうしても仕事の利害が絡むこともあるし、お互いがお互いを完全に損得勘定抜きで付き合うこともできない関係である。それでも広義の友達と言えばいいのではないか、と思う向きもあるだろうが、ちょっと複雑な気持ちである。数年前は昵懇の仲だったものの、とあるきっかけをもとに離れてしまう、なんていうこともあるし、年代が離れている人も多い。年齢の差があると友達になれない、なんていうことはないけれども、純粋な友達と言えるかというと疑問符がともる。さらには、自分の場合は仕事だけに限ってみても年下の人でコンスタントに付き合っている人が少ない。どうしても弟気質というか、長年年上の人に囲まれて過ごすことに慣れてしまったがゆえに、年下の人を引っ張っていくということが苦手である。
これからどんな風に友達を作っていったらいいだろう。学生時代の友人、仕事を通じて知り合った人、地元での子どもを介して知り合った人、いろいろあって自分はむしろ交友関係は広い方だとは思うが、本当の友達を作れるだろうか。そんなことも考えながら四十路を生き直してみたい。