セレンディピティ。

先日、バスに乗っていると、やたらと饒舌なおじさんが隣に座っていた。最初は独り言かと思っていたのだが、どうやら隣に座った自分に話しかけているようだ。着席するやいなやパソコンを開いてしまったので、ある程度作業しながらも相槌をうっていたのだが、そのうちに眠ってしまった。

これ幸いと目の前の作業に没頭していたのだが、ふと虫の知らせがあって、隣のおじさんに話しかけてみようかと思うと、ちょうど覚醒した瞬間らしく目が合った。こちらから話しかけるまでもなく、おじさんの方から話しかけてきたので、どこに住んでいて、どんな仕事をしているのか?と聞いてみると、なんと自分が関与している先のすぐ近くに住んでおり、しかも地域の顔役のような人物であることが判明した。やはりピンとくれば行動してみるものである。

バスを一緒に降りて付近のことをいろいろと紹介をしてもらう。なかなかに顔が広く、よく知っている。ああ、田舎というのはこういう世界なんだな、と改めて思わされる。自分自身は真の意味での「イナカ」社会には住んだことがないし、おそらくはこれからも住むこともないのだろう。

ひとしきりいろんな話をして、あくる日またお昼を食べようとおちあって、ひょんなことから関係はつながるものである。迷ったら前に進む、というのはその通りなのだなぁ、と思う。