盛夏、晩夏。

相変わらずの残暑だけれども、少しずつ夏が終わりに近づいていることを感じる。気候もそうだけれども、今年ほどいろんなことが印象に残る夏もなかったのではなかろうか。

 

昔からどちらかというとインドア派で、夏もあまり好きでもなくて、社会人になってからも真夏やお盆も淡々と働き、秋などに休みを取ることが多かった。いまでもその根っこはあまり変わってはいないのだけど、この歳になってようやく、夏の良さも分かってくるようになった。

 

子どもにとって夏は、ふだんできなかった体験をして、ひとまわり大きくなる季節だ。だんだん親からも離れてひとり立ちしていくことになるだろう。そして、自分自身の人生も、春夏秋冬で言えば梅雨が明けて、いままさに盛夏に差し掛かってきたように感じる。暑さにウンザリすることもあるだろうし、夏バテで体調を崩してしまうこともあるかもしれない。冬の寒さのなかで力を蓄えて、春が来たと思ったら花粉症やなんだかんだに悩まされたり、五月病にかかってしまったり、梅雨はやっぱり鬱陶しい部分もあって、時には雷に打たれたり、人生にはいろいろある。夏だからといって楽しいことばかりでもないし、朝起きて活動するのがツラい日もあるだろう。それでも、夏の終わりを迎えたときに、ああいろいろとやり切れたなあ、と思えるようでありたい。