遠慮と我慢と淡々と。

加齢とともに我慢をすることが減ってきた。それはよいことでもあり、一方では自重も必要なところである。我慢をしないということはややもすると老害的な行動につながることもあるからだ。遠慮をする必要はないが、自分の言動が相手にどう伝えるか、それを受け止める側の相手の境遇はどのようなところにあるか、よくよく考えねばならない。

ただ、自分の気持ちを言葉や表情に出してしまうのはよいことではない。それは幼稚な行動である。また伝えたいことがあっても、それを感情にまかせてまくしたてるのは下の行動である。声のトーンも表情も変えず、言葉だけに自分の意思をのせて伝えるべきである。

冷静さを保つことで、ゲームの主導権を相手に渡すことがなくなる。もうなにごとにおいてもアマチュアではなくてプロフェッショナルなのだから、自分でコントロールのできない戦はすべきではない。たとえ負けたとしても納得のいく戦である必要がある。

最近は少し気が大きくなりかけていたが、これまでと変わらず、淡々と、ひとつずつ刻んでいく。外堀を埋めていくように、予め決められていたところに収束させ、相手の王様を即詰みに討ち取るように、駒を進めていく。